基礎演習「ゼミナールT(政策科学研究)」ホームページ


Always, now under Construction.

【カリキュラム制度・科目名の変更】

 このページは、2003年度に新しく開設された学部2年生配当の社会科学系基礎演習「ゼミナールT(政策科学研究)」のホームページです。

 前年度までは、社会科学系「基礎演習」でしたが、

  1. 全学共通科目やオープン科目他の科目群の”大海”の中で方角を指し示す羅針盤
  2. 早い学年から専任教員との少人数教育環境で勉学意欲を持続・発展させる機会
  3. 就職活動による勉学の中断などの悪影響を防ぎ、ゆとりを持って4年生で研究を完成させる仕組み
  4. 基礎・専門の別なく全専任教員がゼミクラスを担任し、勉学面に加え生活面のケア案内をする制度
として、「ゼミナールT」のカリキュラムが誕生しました。
 この制度改革に従い、従来の「専門演習」は、順次、3年配当の「ゼミナールU」、4年配当の「ゼミナールV」へと移行し、2005年度から完全実施となります。
 制度(希望登録制から面接他による選考制など)と名称は変りましたが、以下に一部経緯が書かれているように、本ゼミナールは既に以前から上記の趣旨で実験的に運用を先行して来ましたので、「基礎演習」ページのスタイルを基本的には引継ぎます。
(2003年4月10日 上沼)

【これまでの経緯】

 開講以来、担当教員の専門科目「政策科学」に引き寄せて、その時々の興味深い公共政策課題をテーマにしたテキスト読みを中心に、授業を進めて来ました。
 例えば、96年度はピアソン『福祉国家を超えて』を、97年度は、室田武『電気自由化の経済学』を、主テキストにし、また、98年度は、「郵貯・環境・特殊法人・規制緩和論」をテーマに公共政策のありかたと政策過程を考察しました(99年度と2000年度は在外研究)。
 数年前のカリキュラム改編による専門演習の拡充と「基礎」と「専門」の再編以降、学部2年生配当の社会科学系「基礎演習」の位置付けを再考し、在外研究から復帰した2001年度から広く「社会科学を学ぶとはどういうことか」をテーマとしました。
 また、98年度後期から新14号館の完成に伴いPC端末室が格段に整備されたのを機に、従来のテキスト読みに新メニューを加え、PCなどを利用してのレジュメの作成・発表技法の習熟とHP公開を課題としています。

ゼミの特徴

 上沼ゼミの特徴は、謂わば“工房”です。受講者数は数名とこじんまりで、“徒弟”方式で受講生の研究関心を引出し発展させています。ですが、授業はPCなど機器をフルに使う“近代的な工房”です。

授業内容

 このゼミには、3つの狙いがあります。その第一は、「政策科学」とは一体どんな学問なのか、その系譜と課題と積上げられて来たモデル・方法を、以下のテキストを中心に学ぶことです。
 そして、テキスト読みを通して、最終的に履修者各自が、自分の政策研究のテーマと糸口としての研究事例を発見し、なぜ他でもないそのテーマであり事例なのかを説得的に発表することを第二の狙いとします。
 また、テキスト読みと並行して、履修者の発表技術の習熟度に応じて、レジュメの作成法やパワーポイントでのプレゼン法、HTMLタグの講習、ネットを利用しての情報収集法などを、PC機器類を利用して学び、一年間の授業記録の日記や発見した各自のテーマとケースをゼミのホームページに公開します。これが第三の狙いです。

授業計画

 講義の進め方は、テキストを順次、数回に分けて各自読み、ポイントをピン・ダウンして自分の考えを明確にし、それをパワーポイントで発表し、相互コメントにより理解や発表技術を学びあい、各自修正して次回を工夫する、というプロセスを辿ります。
 特に、前期には、PCによる情報収集や発表技術の講習を並行して各自が一台のPCを利用できる教室で実施しますので、PC初心者でも心配無用です。
 後期後半には、履修者各自が発見した研究テーマと事例を、各自HTMLタグを使用して自分の研究成果発表用のホームページに作成し、以下のゼミ・メンバー・サイトへ貼付て公開します。

主なテキスト(春休みの事前課題、*19年度から秋学期の開始に伴い、夏休みの事前課題)

  • 2021年度(前年度リストに追加分)
    1. 山田昌弘(2020)『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?−結婚・出産が回避される本当の原因』光文社新書1067
    2. 堤 未果(2021)『デジタル・ファシズム−日本の資産と主権が消える』NHK出版新書655
    3. 藻谷浩介監修、Japan Times Satoyama推進コンソーシアム編(2020)『進化する里山資本主義』ジャパンタイムズ出版
    4. 藻谷浩介(2014)『しなやかな日本列島のつくりかた』新潮社
    5. 中島岳志、保坂展人『こんな政権なら乗れる』朝日選書
    6. 綿野恵太(2021)『みんな政治でバカになる』晶文社
    7. 加藤陽子『この国のかたちを見つめ直す』毎日新聞社出版
    8. 松村圭一郎(2021)『くらしのアナキズム』ミシマ社
  • 2020年度
    1. 上野千鶴子 (2018)『情報生産者になる』ちくま新書
    2. ハンス・ロスリング ,オーラ・ロスリング (2019)『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』日経BP社 *次のリンクの動画も視聴してみてください(最後に字幕あり)。
    3. ハンス・ロスリング「最高の統計を披露」@TED2006 19分38秒
    4. 秋吉貴雄(2017)『入門 公共政策学−社会問題を解決する「新しい知」』中公新書・・・政策科学とは何か。各自のゼミ論研究テーマを1章ごとに展開してみる。
    5. 山口裕之(2013)『コピペと言われないレポートの書き方教室: 3つのステップ』新曜社、より抜粋・・・学術的文章の書き方指南。但し、著者名(刊行年)の順。
    6. 小島廣光(2001)「問題・政策・政治の流れと政策の窓:NPO法の立法過程の分析に向けて」『經濟學研究』 51(3),pp. 31-84
    7. パワーポイント講習サンプル(making_powerpoint.ppt)で自修
    8. ゼミではパソコン利用(メール、プレゼン、ゼミ論文)が標準→ホームポジションのタイピング練習→フリー無料ソフトあり(窓の杜、vectorのサイト)
  • 2019年度
    1. 上野千鶴子 (2018)『情報生産者になる』ちくま新書
    2. ハンス・ロスリング ,オーラ・ロスリング (2019)『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』日経BP社
    3. 秋吉貴雄(2017)『入門 公共政策学−社会問題を解決する「新しい知」』中公新書・・・政策科学とは何か。各自のゼミ論研究テーマを1章ごとに展開してみる。
    4. 小島廣光(2001)「問題・政策・政治の流れと政策の窓:NPO法の立法過程の分析に向けて」『經濟學研究』 51(3),pp. 31-84
    5. 山口裕之(2013)『コピペと言われないレポートの書き方教室: 3つのステップ』新曜社、より抜粋・・・学術的文章の書き方指南。但し、著者名(刊行年)の順。
    6. ゼミではパソコン利用(メール、プレゼン、ゼミ論文)が標準→「周りにいませんか?こんな新入社員。オデッセイ」『朝日新聞』20180527
    7. ホームポジションのタイピング練習→フリー無料ソフトあり(窓の杜、vectorのサイト)
    8. パワーポイント講習サンプル(making_powerpoint.ppt)で自修
  • 2018年度
    1. 山口裕之(2013)『コピペと言われないレポートの書き方教室: 3つのステップ』新曜社、より抜粋・・・学術的文章の書き方指南。但し、著者名(刊行年)の順。
    2. 吉原 毅(2014)『原発ゼロで日本経済は再生する』角川ONEテーマ21・・・エネルギー政策と地元の信用金庫、協同組合。
    3. 秋吉貴雄(2017)『入門 公共政策学−社会問題を解決する「新しい知」』中公新書・・・政策科学とは何か。各自のゼミ論研究テーマを1章ごとに展開してみる。
    4. 河合雅司(2017)『未来の年表−人口減少日本でこれから起きること』講談社現代新書・・・学校、役所関係者に好評。政策を提言。
    5. 山田 拓(2018)『外国人が熱狂するクールな田舎の作り方』新潮新書・・・実践例。
    6. 各自の研究テーマ選びのヒントあるいは決め手となった図書・資料
  • 2017年度
    1. 山口裕之(2013)『コピペと言われないレポートの書き方教室: 3つのステップ』新曜社
    2. 渡邊京二、 津田塾大学三砂ちづるゼミ(2014)『女子学生、渡辺京二に会いに行く』 (文春文庫) 680円
    3. 野澤千絵(2016)『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』 (講談社現代新書) 821円
    4. 堤 未果(2016)『政府は必ず嘘をつく 増補版 』(角川新書) 864円
    5. 依田高典(2016)『「ココロ」の経済学: 行動経済学から読み解く人間のふしぎ 』(ちくま新書1228) 864円
    6. 片山杜秀、島薗 進(2017)『近代天皇論 ──「神聖」か、「象徴」か』(集英社新書) 821円
    7. 各自の研究テーマ選びのヒントあるいは決め手となった文献
  • 2016年度
    1. 藻谷 浩介, NHK広島取材班(2013)『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』角川oneテーマ21新書、843円
    2. 伊藤 亜紗(2015)『目の見えない人は世界をどう見ているのか』光文社新書、821円
    3. 渡辺 靖(2015)『〈文化〉を捉え直す――カルチュラル・セキュリティの発想』岩波新書、842円
    4. 山口裕之(2013)『コピペと言われないレポートの書き方教室: 3つのステップ』新曜社、1296円
    5. 円城寺 雄介(2016)『県庁そろそろクビですか?: 「はみ出し公務員」の挑戦』小学館新書、842円
    6. 喜瀬 雅則(2016)『牛を飼う球団』小学館、1512円
  • 2015年度
    1. 金子勝、武本俊彦(2014)『儲かる農業論ーエネルギー兼業農家のすすめー』集英社新書
    2. デービッド・アトキンソン(2014)『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』講談社+α新書
    3. 御厨 貴(2015)『安倍政権は本当に強いのかー磐石ゆえに弱い政権運営の正体ー』PHP新書
    4. 水野和夫、近藤康太郎(2013)『成長のない社会で、わたしたちはいかに生きていくべきなのか』徳間書店
    5. 小島廣光(2001)「問題・政策・政治の流れと政策の窓:NPO法の立法過程の分析に向けて」『経済学研究』51(3):pp.31-84.
  • 2014年度
    1. 秋吉貴雄(2007)「「知識の政治」をどのように確立するか?」『書斎の窓』2007年9月号、pp.14-18。
    2. 真渕勝(2013)「新公共管理と「新しい公共」」『書斎の窓』2013年10月号、pp.21-25。
    3. 秋吉貴雄、伊藤 修一郎、北山 俊哉(2010)「第2章公共政策学の系譜」『公共政策学の基礎』、有斐閣、pp.22-42。
    4. 藻谷浩介、NHK広島取材班(2013)『里山資本主義−日本経済は「安心の原理」で動く』角川oneテーマ21
    5. 山室恭子(2013)『江戸の小判ゲーム』講談社現代新書2192
    6. 小島寛之(2013)『数学的決断の技術』朝日新書442
    7. 藻谷浩介(2014)『しなやかな日本列島のつくりかた』新潮社
    8. 小島廣光(2001)「問題・政策・政治の流れと政策の窓:NPO法の立法過程の分析に向けて」『経済学研究』51(3):pp.31-84.
  • 2013年度
    1. 藻谷浩介、NHK広島取材班(2013)『里山資本主義−日本経済は「安心の原理」で動く』角川oneテーマ21
    2. ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ+辻信一(2009)『いよいよローカルの時代〜ヘレナさんの「幸せの経済学」』大月書店
    3. マーティン・ファクラー(2012)『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』双葉新書
    4. ジェレミー・ドノバン(2013)『TEDトーク 世界最高のプレゼン術』新潮社
    5. 小島廣光(2001)「問題・政策・政治の流れと政策の窓:NPO法の立法過程の分析に向けて」『経済学研究』51(3):pp.31-84.  
    6. 山室恭子(2013)『江戸の小判ゲーム』講談社現代新書2192
  • 2012年度
    1. 新雅史(2012)『商店街はなぜ滅びるのか−社会・政治・経済史から探る再生の道−』光文社新書582
    2. 関 満博(2012)『地域を豊かにする働き方: 被災地復興から見えてきたこと 』ちくまプリマー新書
    3. 藻谷浩介(2010)『デフレの正体−経済は「人口の波」で動く』角川oneテーマ21
    4. 保井俊之(2012)『「日本」の売り方−協創力が市場を制す』角川oneテーマ21
    5. 中野雅至(2012)『財務省支配の裏側−政官20年戦争と消費税』朝日新書  
    6. 片山杜秀(2012)『国の死に方』新潮新書
  • 2011年度
    1. 村田喜代子『縦横無尽の文章レッスン』朝日新聞社、1600円+税
    2. 内田 樹『日本辺境論』新潮新書、740円+税
    3. 中野剛志『TPP亡国論』集英社新書760円
    4. 川北稔『イギリス近代史講義』講談社現代新書760円
    5. 渡辺京二×津田塾大学三砂ちづるゼミ『女子学生、渡辺京二に会いに行く』亜紀書房、1600円+
  • 2010年度
    1. 中野雅至『政治主導はなぜ失敗するのか?』光文社新書
    2. 末松広行『食料自給率の「なぜ?」』扶桑社新書
    3. 浅川芳裕『日本は世界5位の農業大国』講談社+α新書
    4. 矢作 弘『「都市縮小」の時代』角川oneテーマ21
    5. 高橋洋一『日本の大問題が面白いほど解ける本』光文社新書
    6. 木原誠二『英国大蔵省から見た日本』文春新書
    7. 内田 樹『こんな日本でよかったね』文春文庫
    8. 渡辺京二『日本近世の起源』洋泉社MC新書
  • 2009年度
    1. 石井陽一『民営化で誰が得をするのか:国際比較で考える』平凡社新書
    2. 白井裕子『森林の崩壊:国土をめぐる負の連鎖』新潮新書
    3. 林 信吾『イギリス型<豊かさ>の真実』講談社現代新書
    4. 野口悠紀雄『1940年体制:さらば戦時経済』東洋経済新報社
    5. 山森 亮『ベーシック・インカム入門』光文社新書
    6. 小暮真久『「20円」で世界をつなぐ仕事』日本能率協会マネジメントセンター
    7. 竹内 薫『バカヤロー経済学』晋遊舎新書
  • 2008年度
    1. 吉本佳生『スタバではグランデを買え! 価格と生活の経済学』ダイヤモンド社
    2. 岩田正美『現代の貧困』ちくま新書
    3. 大江正章『地域の力』岩波新書
    4. 高橋洋一『霞ヶ関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』文春新書
    5. 野口悠紀雄『戦後日本経済史』新潮選書
  • 2007年度
    1. 阿部菜穂子『イギリス「教育改革」の教訓』岩波ブックレット
    2. 谷岡一郎『データはウソをつく −科学的な社会調査の方法−』ちくまプリマリー新書、2007年
  • 2006年度
    1. 谷岡一郎『「社会調査」のウソ−リサーチ・リテラシーのすすめ』文春新書
    2. 宮内泰介『自分で調べる技術−市民のための調査入門』岩波アクティブ新書
    3. 本田、内藤、後藤『「ニート」って言うな!』光文社新書
    4. 勝見、鈴木、野中『セブンイレブンの「16歳からの経営学」』宝島社
    5. 橘木俊詔『消費税15%による年金改革』東洋経済新報社
  • 2005年度
    1. 谷岡一郎『「社会調査」のウソ−リサーチ・リテラシーのすすめ』文春新書
    2. 宮内泰介『自分で調べる技術−市民のための調査入門』岩波アクティブ新書
    3. 奥村 宏『会社とはなにか』岩波ジュニア新書
    4. 赤川 学『子どもが減って何が悪いか!』ちくま新書
  • 2004年度  
        
    1. 小島廣光『政策形成とNPO法−問題、政策、そして政治−』有斐閣   
    2. NHK出版編『データマップ日本−日本経済再生への処方箋−』NHK出版協会   
    3. 篠原一『市民の政治学−討議デモクラシーとは何か−』岩波新書  
  • 2003年度  
        
    1. 大嶽秀夫『政策過程』東京大学出版会   
    2. Wayne Parsons,"Public Policy" Edward Elger  
  • 2002年度  
        
    1. 関 曠野『民族とは何か』講談社現代新書   
    2. 上野千鶴子編『構築主義とは何か』勁草書房   
    3. 柄谷行人編『可能なコミュニズム』太田出版  
  • 2001年度  
       
    1. 橋本大三郎『冒険としての社会科学』毎日新聞社  
    2. 森嶋通夫『なぜ日本は没落するか』岩波書店  

成績評価

平常点のみ(上記講義の3つの狙いで、第1が40%、第2が30%、第3が30%)。


©Prof.Masaaki KAMINUMA All rights reserved.
Professor Masaaki Kaminuma has all responsibility for this WWW Site.