Koichiro's study
早稲田大学社会科学部 社会科学演習イ 火曜5限 14号館607教室


T.活動内容
  • 各自がテキストを読み、前期は「Word」で、後期は「PowerPoint」でレジュメを作成し、そのレジュメをもとに プレゼンテーションを行う。その後ゼミ生全員で、そのレジュメについての批評とテーマについての議論を行う。
  • HTML言語および構造を理解して、各自が1年間の学習成果をホームページの形でまとめる。
  • ゼミ生が交代で日記を担当し、1年間におよぶゼミの様子を記録する。(日記はEメールで書いて先生に送る。)

U.スケジュール
課題
前期 ◇橋爪大三郎著『冒険としての社会科学』(毎日新聞社)
  • 第一章 社会科学はこうして学ぶ
  • 第二章 日本国憲法はどこが美しいか
  • 第三章 マルクス主義はどうしてダメになったか
  • 第四章 日本国憲法はどこがいかがわしいか
  • ◇ その他
    • HTML言語と構造について
    • どのようなHPを作るかのアイデアを練る。
    後期 ◇森嶋通夫著『なぜ日本は没落するか』(岩波書店)
  • 第一章 予想の方法論
  • 第二章 人口の分裂
  • 第三章 精神の荒廃
  • 第四章 金融の荒廃
  • 第五章 産業の荒廃
  • 第六章 教育の荒廃
  • 第七章 ただ一つの救済案
  • 第八章 救済案への障害
  • ◇ ホーム・ページの発表

    ◇ その他
    • スキャナの使い方
    • PowerPointの使い方


    V.成果

     @レジュメ作成に関しては当初、「テキストを読んで全体を要約しておけばよい」ぐらいの認識しかなか ったが、先生に「テキストを読んで自分が印象に残った個所を中心に簡潔にまとめなさい」という指摘を受 けて、後半になってレジュメ作成の意味が理解できたと思う。

     A発表に関しては満足のいく結果を得られなかった。メモを見ないで作成したレジュメの画面だけで、説 明を加えていくというのは意外と難しいものである。特に理解することと、それを口頭で他人に分かるよう に説明することは全く別のことであると感じた。このゼミは少人数制ということもあり、ほぼ毎週のように 発表があったおかげで、発表すること自体には慣れることができた。

     BPCの使い方に関しては、授業で教わったこと、そして度重なる課題のレジュメ作成の過程でPCに触れる 機会が多かったために、ある程度、使えるようになった。特に図表の作り方を覚えたのは大きな収穫であっ た。またホームページも現在、HPビルダーなど便利なソフトが発売されているが、それをHTML言語で地道に 書いていくという作業は、HPの基本構造を確認するという点において意義があったと思う。

     C議論ではゼミが開講した当初、みんな遠慮していたが、後期に入ると様々な意見が出てくるようになり、 面白かった。私は間違っていても自分の意見をしっかりと述べることが重要であると感じた。なぜなら意見 を口に出すことで自分の考え方もはっきりするし、仮に自分の意見が間違っていても他の学生と意見を交わ すことでその間違いが修正されていくからである。

     Dさて私の今後の研究テーマならびにケース・スタディであるが、私は法律の観点から社会科学を実践し ていくことを考えている。具体的に言えば、『ITと法』というテーマで「情報の流出」について考えてみた いと思う。近年、インターネットおよびIT機器の普及に伴い、簡単に個人情報、企業や役所などの情報を持 ち出し、入手することが可能となった。その結果、「情報の流出」が社会問題化している。従って改めて「 情報とは何か」について考える必要がある。それを踏まえて情報の保護に関する法律を考えてみたいと思う。


    W.コメント

     私がこのゼミを受講した理由は2つある。一つは、90年代以降、日本の社会は混迷の度を深めているが、 その原因は一体どこにあるのかを確認する必要があると考えたこと。そしてもう一つは、それを解決するた めに我々がどうすればよいのかを、自分ひとりだけでなく、他の学生と議論することによって、自分の考え を深めていきたいと考えたことである。

     前者に関しては、本ゼミで採用された著書は、いずれもそれらについて問題提起しており、我々日本人お よび日本社会の問題を捉えることは出来たと思う。しかし後者に関しては、決して満足のいく結果とはなら なかった。本ゼミは上沼先生が、イギリスでの研究から帰国されたばかりであったこと、そして新しいスタ イルを模索しながら発表ならびに議論を行っていったので、ゼミ生にも戸惑いがあり、スムーズに物事が進 なかったことがある。

     しかしこのゼミに入ろうと思っている人は決してがっかりすることはない。なぜならまだ答えの出ていな い問題に対して、どう答えを出すのか、そしてそのための思考方法を身に付けることこそが、本ゼミの最大 の目的であるからだ。従って、その方法論は自分たちでどんどんと改良を加えていきながら、作り上げてい けばいいのである。今年の我々の経験を積極的に生かしてほしいと思う。

     私が今年、このゼミで特に印象に残ったのは、我々日本人は明治維新以降、積極的に西欧文明を「輸入」 し、また戦後は、特に60年代を中心として学生運動を経験したりしたりしているので、一見すると「社会 科学」を身に付けているように見えるが、しかしこれまで実際の日本社会では、村社会の伝統的な価値観が 支配していることからも明らかなように、社会科学を身に付けているとは言えないとテキストで指摘された 点である。

     現在、「構造改革」が叫ばれているが、我々に今、求められているのは、経済、政治、法律など、をもう 一度、「科学」の視点から捉え直し、普遍的な理論体系へと構築し直し、今度はそれを海外へ発信できるよ うになることである。つまり我々が「社会科学」を身に付けるとは、そういうことなのである。


    X.ゼミ期間における国内と世界の動き
    国内 海外
    4月
  • 「新しい歴史教科書をつくる会」教科書、検定に合格(3日)
  • 小泉政権樹立(26日)
  • 国としては世界初、オランダで安楽死を合法化(10日)
  • 5月
  • 金正男氏?と見られる男性、身柄拘束(1日)
  • 国のハンセン病患者隔離政策に違憲判決(11日)
  • 水島前そごう会長を逮捕(25日)
  • ローマ法王、史上初モスク訪問(6日)
  • イタリア総選挙、野党連合「自由の家」が勝利(13日)
  • 6月
  • 大阪教育大学付属池田小学校で児童8人を殺害(8日)
  • 東京都議選、自民党が小泉人気の追い風を受け圧勝(24日)
  • ペルー大統領に住民系経済学者のトレド氏が当選(3日)
  • 7月
  • 外務省職員らハイヤー代金水増し請求疑惑で逮捕(16日)
  • 筑豊石炭じん肺訴訟で国に賠償責任〔福岡高裁〕(19日)
  • デンバー総領事の機密費流用事件(26日)
  • 参議院議員選挙、自民党大勝(29日)
  • 2008年夏季五輪は北京に決定(13日)
  • ジェノバ・サミット抗議デモで死者(20日)
  • インドネシアでメガワティ大統領就任
    (23日)
  • 8月
  • 名古屋市南部公害訴訟、和解成立(8日)
  • 小泉首相、靖国神社公式参拝(13日)
  • 近畿郵政局長を選挙違反で逮捕(26日)
  • 9月
  • 日経平均株価17年ぶりに1万円を割り込む(12日)
  • マイカル、倒産(14日)
  • 在日韓国系銀行、東京商銀前理事長逮捕(17日)
  • 日本で初の狂牛病(21日)
  • 富山県警で事件もみ消し(25日)
  • 薬害エイズ事件で元厚生省生物製剤課長に有罪判決(28日)
  • アメリカ同時多発テロ(11日)
  • 10月
  • 野依良治・名古屋大学教授がノーベル化学賞を受賞(10日)
  • 自治労の不正経理事件(10日)
  • テロ対策特別措法成立(29日)
  • 米軍、アフガニスタンで空爆開始(7日)
  • APEC首脳会合で「反テロ声明」、「上海アコード」を採択(20日)
  • 11月
  • 軍事行動支援で自衛隊、初の海外派遣(9日)
  • ヤコブ病訴訟で裁判所が「所見」(14日)
  • 米格付け会社スタンダード&プアーズが日本国債を格下げ(28日)
  • 完全失業率が5.5%に
  • 地球温暖化防止マラケシュ会議、合意文書を採択し、閉幕(10日)
  • 12月
  • 皇太子妃雅子様、敬宮愛子様をご出産(1日)
  • 青木建設が破たん(6日)
  • 特殊法人改革を閣議決定(19日)
  • 日中貿易摩擦決着―日本の緊急輸入制限措置を巡って(10日)
  • 鹿児島県奄美大島沖で銃撃戦(22日)
  • 米エンロンが破たん(2日)
  • 中国、世界貿易機関(WTO)に加盟(11日)
  • イスラエルがパレスチナ自治区内で軍事行動(12日)
  • 1月
  • シンガポールと自由貿易協定を締結(13日)
  • 田中真紀子外務大臣更迭(30日)
  • 欧州12か国で欧州単一通貨ユーロの現金流通開始(1日)
  • 東京でアフガニスタン復興支援会議(21,22日)

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    上沼・基礎演習ホームページ