子どもの貧困
政策科学研究2年 岡崎亜美
研究動機
- 私が子どもの貧困について調べようと思ったきっかけは、オール英語で行う英語教育の実施に興味を持ったからである。このことをニュースで聞いたときに初めに思ったのは、教師の英語力の差によって子どもの英語力の格差が大きくなってしまうのではないか、ということでした。もちろん全て英語で授業を行おうとそうでなかろうと、英語力に富んだ教師であったほうが生徒にとって良いことは言うまでもない。しかし、全て英語ということに関しては、リスニング力に長け、英語の発音の良い先生であるべきだと言えるであろう。もしそうでない教師の場合、良い教師に恵まれた学生との差が開き、それは学力の低さとして見受けられてしまう。このように、この制度の実施によってこれまで以上に教師の英語力が学生の英語力に反映し、学力の差が生じてしまうことが予想される。
良い教師の授業を受けられる生徒とは、どのような生徒なのか考えたとき、真っ先に思い当たるのがやはり高い授業料を払っている学生(家庭)であった。そうしたとき、家庭の経済状況によってより良い教育を受けられるかどうかが左右されると思い、今回「子どもの貧困」を研究するに至った。
章立て
- 第一章 貧困社会の子どもたち
- 第二章 子どもの貧困とは
- 第三章 子どもへの投資
- 第四章 学歴社会の中で
- 第五章 まとめ
第一章 貧困社会の子どもたち
従来の子どもの問題=家庭内暴力、子どもの孤食化、インターネットやテレビゲームによる悪影響など、家庭の暖かさの欠如の類
この問題は現代日本の課題
しかし、研究動機にも挙げたように家庭の経済状況によって子どもの学力に差がつく今日の教育も、子どもの問題として大いに取り上げられるべきであると私は考える。
1990年代〜
日本は「格差社会」
→大人の社会で「格差」が生じるのであれば、大人の所得に依存している子どもの間にも格差は生じるだろう。これは上に挙げた研究動機にある英語力の格差を生む原因である。
OECDの調査
日本の相対的貧困率はOECD諸国の中でアメリカに次ぐ2位。
日本人にとって格差社会という認識はあるものの貧困社会であるという意識は薄い。
そもそも貧困とはどのようなものか。それは格差が存在する中でも、社会の中のどのような人も、それ以下であるべきでない生活水準、そのことを社会として許すべきでない、という基準である。要するに貧困な子どもとは、子どもにとって許容できない生活水準である。
そこで「子どもにとって許容できない生活水準」とは何か考えたい。
参考文献
- 阿部 彩『子どもの貧困―日本の不公平を考える』岩波新書
- 大藪 千穂『仕事・所得と資産選択』放送大学教材
- 藤崎 春代、武内 清『子ども・青年の生活と発達』放送大学教材
Last Update : 09/1/25