産業の衰退〜ガラパゴス化について〜

早稲田大学社会科学部

政策科学ゼミナール

二年 久我善治


章立て

序章 研究動機
1章 ガラパゴス化とは
2章 ガラパゴス化の要因
3章 産業別ガラパゴス化の現状
4章 海外との比較による考察
5章 今後の展望
6章 政策提言


序章 研究動機

最初社会起業家について研究を進めていたがそれらは研究する対象というよりは 一種のアプローチであり方法にすぎないと気づいた。そこで環境問題、差別、貧困、福祉、教育などの社会的問題を観察していくうちにこれらは日本経済の弱体化が関連しているのではないかと考え日本の産業衰退について興味を持った。

日本の製品は世界基準に照らしても非常に高い水準であるのにもかかわらずグローバルな評価を得ているのは自動車くらいであり、その他の製品は海外進出さえしていないのではないかと考えた。そこで研究を進めていくうちに「ガラパゴス化」というワードを知った。この「ガラパゴス化」という現象について原因、弊害、政策提言を研究しこのホームページに記録していきたい。


1章 ガラパゴス化とは

ガラパゴス化とは日本の技術やサービス、経済慣行が高度に進化しながらも、外国からの参入がほとんどなかったために、世界基準からかけ離れてしまった事を指す造語。

ガラパゴス諸島とは南米から900キロ離れた太平洋上の沖合いに位置し、独自の進化をとげた固有の生物が数多く存在するが、それらはガラパゴス諸島が大陸からは隔絶された環境にあったことによって、独自の進化を遂げたと言われており、ダーウィンが進化論のアイデアを得た場所としても有名である。つまり日本におけるガラパゴス化とはこの現象にちなむ。

近年の日本では、技術やサービスで独自の進化をとげることにより、世界の標準からかけ離れてしまう現象が見られている。日本の技術、サービスはまさにガラパゴス化現象が生じているといえる。世界最高水準の技術を活かし、海外企業では真似のできないような機能を盛り込んだ製品を持ちながら、世界市場ではほとんどシェアを握れないケースも少なくない。このような「ガラパゴス化現象」は、日本企業が抱える大きな問題となっている。その結果国際競争力を持たぬまま衰退してしまう。

その例の最たるものは,携帯電話端末だという。世界市場における日本メーカーのシェアは合計10%程度だが,その実態はほぼ国内販売だけ。輸出は限りなくゼロに近い。情報通信関連の端末や機器をみても,輸出比率は極めて低い。

2007年第2四半期の出荷台数(IT proより)

しかし夏目剛慶應義塾大学特別招聘教授は「特異な進化を遂げたことは,競争力があるという意味でもある」とする。強みを明確にすることができれば、必ず日本の商品やサービスは世界に羽ばたけると信じているという。だからこそ,グローバル市場で競争力がない原因を突き止めようとする動きもある。


2章 ガラパゴス化の要因

日本の「ガラパゴス化現象」を、段階を追って整理してみると、以下の特徴がある。

3章 産業別ガラパゴス化の現状

(NRI未来ナビより抜粋)

参考文献