日本の森林について
早稲田大学社会科学部社会科学科
上沼ゼミ2年 西野 修平
章立て
序章:研究動機
第一章:日本の森林の現状
第二章:日本の国有林
第三章:
第四章:
第五章:
第六章:
第七章:
第八章:
第九章:
第十章:
序章:研究動機
ゼミの課題図書の「森林の崩壊」を読んで日本は森林資源がたくさんあるのに使えなくしているのは勿体ないと感じ、この分野で将来起業してみたいと思ったからです。
第一章:日本の森林の現状
日本の国土の約3分の2が森林である。亜熱帯から亜寒帯にわたるどの地域でも年間雨量は十分にあり、森林が成立可能である。
平地の植生は、南側約3分の2は常緑広葉樹林、いわゆる照葉樹林という型であり、それ以北は落葉広葉樹林、ブナ林を代表とする森林である。
標高の高い地域ではさらに常緑針葉樹林、一部には落葉針葉樹林がある。南西諸島では熱帯要素が強くなり、多少ながらマングローブが発達する。
2009年(平成21年)現在、日本の森林面積は2,512万haであり、森林率は66%となっている。この数字は、1970年代以降、横ばい状況にあり、
減少傾向にある世界各国の森林率から比べれば突出した数値となっている(参考:ブラジル57%、カナダ51%)。森林の内訳は、天然林が53%(1,335万ha)、
人工林が41%(1,036万ha)、その他(標高などの条件により未生育の森林など)6%という比率となっている。このうち人工林は、第二次世界大戦後
の拡大造林の影響を受けたことから、スギ林が多数(452万ha)を占めている。
人工林がここまで多い理由として、1950〜1970年代前半、空前の住宅建設ラッシュが発生し国内の木材需要が逼迫し、その後1970年代後半〜1980年代に
かけて木材輸入制限が緩和、海外からの輸入量が急増すると一転して木材価格は暴落した。その結果、日本の山には採算の取れない人工林の多くが
取り残されることとなった。人工林の手入れを怠った場合には、生育ができない、土砂の流出、水源のかん養が十分に発揮されない、年輪がマチマチで
節だらけの商品価値の無い立木になる、そして伸ばし放題の枝や葉の影によって周囲の木々の光合成の効率の悪化などの問題が発生する。また放棄されたスギ林では、
春先に大量の花粉が発生し花粉症の原因の一つとなっている。

|
森林面積 |
林野率 |
人工林率 |
国有林率 |
日本 |
2515万ha |
66% |
41% |
31% |
北海道地方 |
555万ha |
66% |
27% |
57% |
東北地方 |
471万ha |
74% |
41% |
43% |
中部地方 |
512万ha |
75% |
41% |
22% |
関東地方 |
145万ha |
45% |
46% |
30% |
近畿地方 |
183万ha |
67% |
48% |
5% |
中国地方 |
232万ha |
73% |
40% |
7% |
四国地方 |
139万ha |
74% |
62% |
14% |
九州地方 |
278万ha |
66% |
55% |
20% |
第二章:日本の国有林
国有林は、日本国政府によって保護管理されている森林のこと。主に農林水産省林野庁が管轄し、各地方森林管理局の下の森林管理署・支署、森林管理事務所に
よって管理されている。総面積は2004年4月1日現在7,589,020ha。日本の森林面積のおよそ3割を占め、国立公園の約6割と、保安林の約5割が国有林であり、また、
国産材の約3割は国有林が産出している。 国有林と対になる概念は民有林である。民有林には、個人や私企業の所有する私有林の他、都道府県や市町村などが
所有する公有林、個人が連名であるいは組合などを作って共有する共有林も含まれる。
現在林野庁所管の国有林となっている土地の多くは、江戸時代には幕府や藩の所有する土地であった。版籍奉還によりそれらは国有となり、また地租の課税をするため
全国の土地の調査を行った結果、上記の森林に加えて所有者の明確にならない共有林の一部が国有地と見なされ、国有林が誕生した。
戦後の1947(昭和22)年、林政統一により、それまで農商務省山林局、宮内省帝室林野局、内務省北海道庁によって管理されていた国有林を農林水産省が企業特別会計
のもと一元管理することとなった。
現在、国有林の管理は、
- 木材の生産 、
- 水源涵養や山地災害防止といった水土保全 、
- 二酸化炭素吸収等の環境保全、
- 野生生物保護やレクリエーションなどの保健文化機能
に着目して行われている。(国有林野事業業務方針参照) 林野庁はもともと産業としての林業を所管する庁であり、森林の持つ機能の中でも木材生産機能を重視していた。
しかし、1980年代後半の頃から、国民の間で徐々に自然保護への関心が高まり、国有林は原生的な森林を多く含んでいたことで一部は保護の対象と目されるようになってきた。
当初林野庁は環境保護への関心は薄く、白神山地などでは保護派と意見の対立があるなどの場面もあった。しかし、止まらない林業不振と、森林の多面的機能への注目により、
1998年には「国有林野事業の改革のための特別措置法」および「国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律」が制定され、木材生産偏重から、
多面的機能重視へ方向転換している。
経営状態は、戦後の復興から高度経済成長期には木材需要が高く、国有林野事業特別会計は黒字であり、一般会計に繰入金もあった。しかし、外材の流入などによる
国産材の価格低迷等で経営が困難になっていった。前述の特別措置法により、それまでの現業的な営林署を廃止して森林管理署制を敷くなど、改革を行っているが、
2003年度末の債務残高は、長期と短期の借入金を合わせて約12,800億円に上る。
他にも研究したいこと
・これからの農業
・日本の食糧戦争の展望
参考文献
・
ウィキペディア
・
林野庁
・
FAIRWOOD PARTNERS 〜木の流れから、未来を作る。〜
Last Update:2010/01/26
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