企業の社会的問題解決への取り組み
-国主体から企業主体へ-
社会科学部二年
政策科学ゼミナールT
岡野史弥
研究動機
この研究テーマにした理由は、多国籍企業に興味をもっており、企業と政府のつながりの中で研究をしたいと考えていたからである。そこで、今日における国家をもしのぐ企業の強大な力を社会的問題解決に繋げることができないかと考えた。企業の巨大な力については、これを証明する事実として以下の事柄が指摘されている。
- 世界の経済主体の規模を比較すると、上位100位に含まれる51の組織は企業であり、国家ではない。
- そうした企業は独自に巨大な帝国を築いており、政治的にも大きな力を持っている。
- 海外資産の20%を、多国籍企業の最大手100社がコントロールしている。
- 世界の総資産の25%は、IBM、デュポン、ハネウェル、ダウといった多国籍企業の大手300社により所有されている。
- 世界中の貿易の40%が、これらの多国籍企業の間で行われている。
- 国内総生産(GDP)が、世界の最大手6社のそれぞれの年間売上高を上回る国は、21カ国しかない。
出所:ブルース・ピアスキー『ワールドインク』、英治出版、2008年、p.19
このように多国籍企業は、強大な力を持っている。この力をどうにかして、社会的問題に向けることはできないのであろうか。現状では政府の環境に関する規制などに反対する立場が多いなど、社会的な問題に消極的な立場の企業がとても多い。なぜならば、社会的な問題に力を注ぐことは多少の社会的評価を上げる程度であり、企業にとって、マイナスな面の方が多いからだ。そのマイナス面をいかに減らしていくことができるか、またいかにプラスな面が多い状態にできるか、具体的な企業の活動を通して考察したい。
章立て
- 第一章 現在の企業の現状
- 第二章 現在の政府の企業への政策
- 第三章 これから企業がしていくべきこと
- 第四章 それを支える政府のサポート
参考文献:
Last Update:2010/2/5
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