私がこのテーマについて研究をしようと思ったのは、早稲田大学オープン科目で受けた『webビジネス』という授業から、webビジネスに関する興味が広がったことがきっかけである。
その中で、特に興味がひかれたのが『クロスメディア』という手法で、私たちにとって最も身近に使われている手法であるように思う。私が初めに知ったクロスメディアの実施例は、QRコードであったのだが、驚きとともに、いまの情報社会に見合った手法だなと感じた。
現在、情報化社会が発展し続けている中で、さまざまなデバイスが世の中に現れ、多くの人々がネットを利用する時間や機会が増えつつある。最近ではスマートフォンの普及が記憶に新しいだろう。
今後も新しいデバイスが世の中に出され続けると思われるが、クロスメディアの形はこれからどう変容していくのだろうか。現在までの実施例を見ながら、今後のクロスメディアに対する可能性について研究していきたいと思う。
「クロスメディア」とは、一つの情報を紙媒体、インターネット、モバイル、DVDなどさまざまな表現媒体を組み合わせて、消費者へ効果的に伝えること。それぞれのメディアが持つ長所と短所を補いながら情報伝達に相乗効果を持たせるのが特徴で、マーケティング戦略では有効な表現方法として評価されている。
テレビCMの「続きはウェブで」や、ポスターなどの紙媒体にQRコードを記載してインターネットへのアクセスを誘導する手法が典型例である。
ちなみに、様々な形態の情報を、デジタルデータ化することによってコンピューター上で一元的に扱えるようにし、それらのデータを相互に関連付けて統合的に扱うマルチメディアとは、多様な表現媒体を駆使して一層効果的な伝達を行うという点において、区別されている。
そのため、しばしば「マルチメディアが加算的なら、クロスメディアは乗算的である」と言われる。
右図の「マス4媒体からインターネットまでを合わせた1日のメディア接触総時間」のグラフから見てわかるように、PC・携帯電話のともにネット接続時間が増加し続けている。そのため、テレビや紙・広告媒体からのインターネットへのアクセスが、より一層誘導しやすい状況にあると言える。
現在では、スマートフォンが普及し始め、インターネットや携帯電話に限らずにさまざまなデバイスが増えている。そのため、新たなデバイスの組み合わせが生まれ、新しいクロスメディアの形も誕生していくと思われる。
第一章でも例にあげたが、広告を配信する場合、街中で手に取りやすい紙媒体を用意しておき、その紙広告にWebサイトへのアドレスやQRコードを記載しておけば、興味を持った人がインターネットから簡単にアクセスできる。
このように、紙媒体からインターネットへ繋がるクロスメディア構造を作っておくことで、紙媒体だけでは表現しきれない即時性や情報の広がりをもった情報が伝達可能となる。
≪参考文献≫