児童虐待問題を解決するために

 

社会科学部2年
  政策科学ゼミナールT
  笠岡美希



研究動機

 研究テーマを児童虐待の防止にした理由は、メディアで児童虐待のニュースが取り上げられる度に、この問題からずっと目を背け続けることはできないと感じ、児童虐待問題を解決したいと思っていたからである。なぜそう感じたかというと、子どもが好きであり、1番頼りにせざるをえない親から虐待を受けた子どもたちの気持ちを考えると、私にできることがあるならしなければと思わせられていたからだ。

 厚生労働省によると、全国の児童相談所が平成21年度に相談を受けた児童虐待の件数は約4万4千件で、20年連続で増加している。21年度には49人の子供が虐待で亡くなっている。

 具体的なケースとして、2010年7月30日、大阪市西区のマンションで幼い男児と女児の2遺体が発見された事件が挙げられる。同日、行方がわからなくなっていた23歳の母親が死体遺棄容疑で逮捕された。同年8月10日、府警西署捜査本部は、置き去りにしたまま外出し、幼い姉弟を殺害したとして、母親を殺人容疑で再逮捕し、8月26日から精神鑑定のために鑑定留置した。

 上記の大阪市西区のケースでは、事件の起こる約4カ月に児童虐待ホットラインに通報があったが、その通報が活かされておらず、既存の法整備や児童相談所のシステムでは、児童虐待の防止を図るのは難しいということが分かる。法整備のみを改善したとしても、完全な児童虐待の防止はかなわないだろう。児童虐待は、実母によるものが最も多く、その原因は育児の難しさからくるものと考えられ、母親1人に過度の負担がかかるのを防ぐことが重要だと思われる。母親、あるいは父親1人に負担がかからないようにするためには、配偶者の協力、地域社会の共生が不可欠である。父親・母親への育児支援や地域社会のあり方を、現在実施されている政府の政策やNPO法人等の活動から考察していきたい。


章立て

概要

 

【参考文献】


Last Update;2012/04/15
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