学習指導要領の意図を高等教育の場にいかにして浸透させるか

早稲田大学社会科学部2年
政策科学研究ゼミ
茂中勇希



学習指導要領概念図

文部科学省HP(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/03100701.htm)より

章立て


研究動機

 学校教育とは、社会に出る上で政府が必要だと考えている能力を学習指導要領(学校教育法施行規則の規定を根拠に、文部科学省が告示する教育課程の基準)に基づき身につけさせるものである。そのため、そこで養成される能力は社会生活と密接に関わっていると想定される。
 しかし、高校・浪人時代を振り返ると、その意識を持っていた人は皆無に近かった。勉強はテストで点を取るためにするものであり、人生には何の役にも立たないものだという風潮があったように思う。加えて、選抜が行われた大学においても、論理思考能力のような学習指導要領に示された能力を身につけている人は多くはないと感じる。
 高校・浪人時代、私の周囲の大半は進学を希望し勉強していた。加えて、現在在学中の早稲田大学も入学時に求められる学力は決して低くはない。つまり、高校時代から現在にかけて、私の周囲には学力の面で高等教育により深く関わっている人が多いはずである。にもかかわらず、前段落で見たように学習指導要領の意図が伝わらないもしくは軽視され、かつそこで求められる能力も充分に身につけられていない状況があることに違和感を覚えていた。
 そこで、教育における政府の意図が実際的に浸透し、加えて能力を身につけさせるためにはどうすればいいのかと思い、このテーマを設定した。また、ここでは私が多くの期間関わった高等教育について絞って特に考えることにした。

研究概要

 先に述べたように、教育において政府の意図が実際的に浸透し、その意図した能力を身につけさせるにはどうしたらよいかと言うことについて政策提言を行いたい。しかし、「教育」というフィールドにおいても様々な指針が存在する。ここでは特に高等教育の学習指導要領に範囲を限定して考えることとする。
 本論では、まず学習指導要領における政府の目的と高校生・浪人生の勉強への意識のあり方をそれぞれ検証し比較する。そして、いかなる要因でその高校生・浪人生の意識の形成がされていくのかを検証する。最後にそれらを考察し、政策提言を行いたい。
 以下各章の具体的な内容を述べる。  



参考文献


Last Update:2013/2/1
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