学習指導要領の意図を高等教育の場にいかにして浸透させるか
早稲田大学社会科学部2年
政策科学研究ゼミ
茂中勇希
学習指導要領概念図
文部科学省HP(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/03100701.htm)より
章立て
第一章 学習指導要領における政府の教育方針と具体的内容
第二章 高校生・浪人生の勉強に対する意識とそこで身につけた能力
第三章 学校現場における@の実際的な運用のあり方
第四章 学校以外の場での高校生・浪人生と高等教育の関わり
第五章 中学校までの勉強に対する意識の形成
第六章 B〜Dそれぞれの高校生・浪人生に対する影響力行使の度合い
第七章 @〜Eまでの考察
第八章 政策提言
研究動機
学校教育とは、社会に出る上で政府が必要だと考えている能力を学習指導要領(学校教育法施行規則の規定を根拠に、文部科学省が告示する教育課程の基準)に基づき身につけさせるものである。そのため、そこで養成される能力は社会生活と密接に関わっていると想定される。
しかし、高校・浪人時代を振り返ると、その意識を持っていた人は皆無に近かった。勉強はテストで点を取るためにするものであり、人生には何の役にも立たないものだという風潮があったように思う。加えて、選抜が行われた大学においても、論理思考能力のような学習指導要領に示された能力を身につけている人は多くはないと感じる。
高校・浪人時代、私の周囲の大半は進学を希望し勉強していた。加えて、現在在学中の早稲田大学も入学時に求められる学力は決して低くはない。つまり、高校時代から現在にかけて、私の周囲には学力の面で高等教育により深く関わっている人が多いはずである。にもかかわらず、前段落で見たように学習指導要領の意図が伝わらないもしくは軽視され、かつそこで求められる能力も充分に身につけられていない状況があることに違和感を覚えていた。
そこで、教育における政府の意図が実際的に浸透し、加えて能力を身につけさせるためにはどうすればいいのかと思い、このテーマを設定した。また、ここでは私が多くの期間関わった高等教育について絞って特に考えることにした。
研究概要
先に述べたように、教育において政府の意図が実際的に浸透し、その意図した能力を身につけさせるにはどうしたらよいかと言うことについて政策提言を行いたい。しかし、「教育」というフィールドにおいても様々な指針が存在する。ここでは特に高等教育の学習指導要領に範囲を限定して考えることとする。
本論では、まず学習指導要領における政府の目的と高校生・浪人生の勉強への意識のあり方をそれぞれ検証し比較する。そして、いかなる要因でその高校生・浪人生の意識の形成がされていくのかを検証する。最後にそれらを考察し、政策提言を行いたい。
以下各章の具体的な内容を述べる。
第一章 政府は学習指導要領においてどのような教育目的を持っているのか。また、その目的を達成するためにどのような指導をするように定めているのか見ていく。
第二章 対して高校生や浪人生は勉強に対してどのような意識を持っているのか。また、そこでは実際にどのような能力が身につけられているのかを見ていく。
第三章 政府は学習指導要領を定めているが、実際の現場ではどういった指導が行われているのか。学習指導要領の内容を念頭に置きながら見ていく。
第四章 高校生や浪人生が勉強と関わるのは学校という場だけではない。予備校や家など様々な場で関わっている。ここでは、学校以外でどのように勉強と関わっているのか見ていく。
第五章 高校生の勉強への関わり方の基礎はそれまでの経験的な要素も関わっているように考えられる。そこで、ここでは中学校までに勉強に対する意識がどのように形成されてきたかを見ていくことにする。
第六章 B〜Dまで高校生・浪人生の勉強に対する姿勢に影響を与えると思われる要素について考えてきた。しかし、どの要素も彼らに同程度の影響力を行使するわけではない。そのため、ここではそれぞれの要素が与える影響力の差異について考える。
第七章 @〜Eで得られた情報をもとに、政策提言に向けた考察を行う。
第八章 GFを元に、政策提言を行う。
参考文献
文部科学省HP
(アクセス:2013/1/8)
Last Update:2013/2/1
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