静岡県における観光政策を考える
社会科学部2年
大池宏明
上沼ゼミナールT
研究動機
現在、「地方の活性化」が盛んに叫ばれている。地方の現状をめぐってのキーワードは、「人口減少」「少子化・高齢化」「過疎」「限界集落」など、一様に暗いものである。それらを食い止めるための方策を考えるときに、私は特に地域の「観光」を重視すべきだと思う。観光客をほかの地域から呼び込むことによってお金を落としてもらい、その地域の経済が活性化される。また、その地域の魅力を磨いてアピールすることは、もとからその地域に住んでいた人達に対してもその地域のブランド力の向上・雇用の創出と若年層の流出の防止という利点があるだろう。
この地方における観光の振興策を考えるときに、当然その地域に住んでいる人たちの協力とプラン策定が大事だが、同時にそのプランをバックアップすべき行政の動きも重要だと考える。現在、地方行政組織では観光振興策に対してどのような動きをしているのだろうか。また、今後どのように支援を拡大させれば良いのだろうか。なお今回の研究では、私の興味および参考資料の入手の容易さという面から、私の出身地である静岡県を研究対象にしたいと思う。
概要
私の出身地、静岡県は東西に長く富士山をはじめとして多くの温泉・景勝地・観光地に恵まれる。平成23年度末の統計によると、静岡県の旅館営業施設数は全国の7パーセントを占めて日本一とのことだ。また、日本の中心に位置し、東海道新幹線の停車駅を6つ擁する上に静岡空港も存在するという様に、東西の交通の要ともいえる。しかし、静岡県の観光交流客数・宿泊者数がここ数年減り続けている事実からわかるように、そのような資源を有効に活用できていないのではないか。本論では静岡県が観光事業に対してどのような政策をとっているのかを取り上げ課題や問題点を考える。そこから、観光の振興につながる政策を考察していきたい。
章立て
第一章 観光政策の意義・必要性
第二章 静岡県の地域区分の概要・区分別の観光客数
第三章 行政による観光政策の概要
第四章 今後の観光政策の展望
第五章 政策提言
第一章 観光政策の意義・必要性
各々の資料から観光の振興がもたらす地域の雇用、経済、ソフトパワー面の向上など、地域の発展への恩恵を見ていくことによって観光政策の必要性を明らかにする。
第二章 静岡県の地域区分の概要・区分別の観光客数
静岡県が発行する静岡県観光交流の動向の調査の資料の地域区分(上図)に従い、静岡県を6つの地域に区分することによって各地域の観光に関する特色を調べる。
第三章 行政による観光政策の概要
現在、県や市によって行われている独自の観光政策を調べ評価することによって、その効果と問題点を明らかにする。
第四章 今後の観光政策の展望
前章によって検証した行政による観光政策を踏まえて、今後の観光振興のための政策プランを考える。
第五章 政策提言
前章を踏まえて、政策提言を行う。
参考文献・WEBサイト
Last Update:2013/2/1
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