日本の再生可能エネルギー推進政策
―地熱発電の視点から―

早稲田大学社会科学部2年
政策科学研究ゼミ
濱島 広太


章立て


研究の背景

研究の動機

 私が研究テーマについて取り組もうと思った動機は、単純に、再生可能エネルギー政策を考えることが、環境問題の中で一番大きな問題である「地球温暖化」の解決につながると思ったからだ。

 私は大学に入学するにあたり、「環境」を大学生活を送るうえでのテーマにすることを決めていた。だけれども、別に元々環境問題に特別の興味があったというわけではない。もちろん、環境問題というものが世間で騒がれていることは知っていたし、人並みの興味と危機感はあった。だが、一番の理由は、これからの社会のニーズがそこにあると思ったからだ。

 環境問題の中でも、今回の研究テーマである、再生可能エネルギーには大きなニーズがあると私は思っている。この研究を通じて、日本の環境政策における重要項目である、再生可能エネルギー分野への貢献と、自分の将来に役に立つ理解や知識を得られたらと思う。

研究テーマの重要性

 私の研究で取り組むテーマは「日本の再生可能エネルギー推進政策」である。その中でも、地熱発電の将来性に着目して見ていきたいと思う。

 数ある再生可能エネルギーの中で、地熱発電に着目する理由としては、日本が地熱発電において高い潜在能力を持っていることが挙げられる。
第1に、熱源の多さである。日本の地熱の資源量は、アメリカとインドネシアに次いで世界で第3位の規模がある。
<世界の地熱資源量と地熱発電設備容量(万kW)>
出所:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)HP

第2に、日本の地熱発電における技術力である。地熱発電プラントにおける世界シェアの7割を日本企業が握っているのである。

<地熱発電用タービンメーカー世界シェア(2010年までの累計)>
出所:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)HP

 このように、日本は地熱発電を行うにはいい状況にあることがうかがえる。しかし、実際に発電に利用しているのは地熱資源量の2%に過ぎないという現状がある。 石油などの原材料の枯渇に伴う価格高騰や地球温暖化への対策などから、エネルギー業界は、今後ビジネスとしてより環境負荷の少ないモデル(=再生可能エネルギー)への転換を求められている。それには、いかに採算の取れるビジネスモデルを形成し市場を育てることができるかが重要となる。

地熱発電市場は、採算の取れるビジネスモデルの形成をするにあたり、高いポテンシャルを秘めており、日本のエネルギー産業の中でも高い重要性を持っていると言える。ただ、この地熱発電市場を育てるには、制度の充実など、政策面のアプローチが不可欠なのである。


第一章 地熱発電の概要と日本の地熱発電の可能性

 地熱発電の現状を見ていく前に、まずそもそも地熱発電とはどのようなものかについて見ていこう。

地熱とは

<地球の構造図>
出所:資源エネルギー庁HP

地熱発電の仕組み

<地熱エネルギーの起源を示すモデル>
出所:三菱重工HP

地熱発電の特徴

日本における地熱発電の可能性

この章のまとめ


第二章 日本の地熱発電における現状と課題

 日本国内において、地熱発電が現在どの程度普及しているのかを見ていく。また、政府が、現在、地熱発電の普及に向けてどのような取り組みを行っているのかを確認する。そして、現在の普及状況と現状行われている取り組みから、どのような課題があるのかを明らかにする。

日本国内の地熱発電の普及状況

政府の推進政策

 固定買い取り制度

地熱発電推進に向けた課題

この章のまとめ


第三章 グローバルな視点で見た地熱発電

 ここまでは、国内における地熱発電を見てきたが、世界の中で地熱発電はどのように見られているのかを見ていく。また、地熱発電を積極的に取り入れている国を取り上げ、概要とその特徴を確認する。

世界での地熱発電の現状

地熱発電先進国の例ーアメリカ、インドネシア、アイスランドー

この章のまとめ


第四章 日本の地熱発電の成功事例―九重地熱発電所―

 地熱発電の普及があまり進んでいない日本国内でも、地熱発電の導入を行い、成功を収めている例もある。この章では、その成功事例を紹介し、成功要因を明らかにする。

九重地熱発電所の概要

 5W1Hなど

九重地熱発電所の成功要因

この章のまとめ


第五章 政策提言

 ここまでの章の内容から、日本はどのような地熱発電推進政策を行えばよいのかについて提言を行う。

この章までの情報のまとめ

政策案の提案と概要

政策案の詳細


おわりに


参考文献・Webサイト

Last Update:2014/1/28
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