次世代の車~超小型モビリティ~

上沼ゼミI
2年
杉崎裕一


研究動機

 自分が早稲田大学自動車部に所属していることもあって、次世代の「車」というものに触れる機会が多かった。その中でも、自分はこの「超小型モビリティ」に注目したい。

出典:
 実際には普及に向けた課題が多く、実用化には時間がかかる見込みのため、それらの課題を解決しうる政策を提言したい。

超小型モビリティとは?

 「超小型モビリティ」とは、自動車よりコンパクトで、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両を指す(国土交通省)
 エネルギー消費も少なく、高齢者や乳幼児を持つ保護者などにも使い勝手がよく、市民の手軽な交通手段として有効なものである。また新たな市場の開拓に繋がり、頭打ち気味の自動車業界にとって魅力的な市場となりうる。

 目下、主要な自動車メーカーが開発を進めているほか、ベンチャー企業などでも研究が進んでおり、モーターショー等の様々な場面で披露されることが増えている。また、記憶に新しい所では、横浜市が日産と提携し、エリア限定で超小型モビリティの貸出・公道走行を可能とした、実験的取組みが行われた。

超小型モビリティのメリット

 超小型モビリティのメリットは主に上記の四点である。日本のCO2排出量のうち、運輸部門からの排出量は約20%。特に自動車からの排出は、運輸部門の約9割である。超小型モビリティはそもそも電気を主導力とするため、CO2の排出量が皆無であるという特徴がある。
 また、世界各国で資源の高騰や、高齢化社会の到来といった問題が予測されるが、それらの課題の解決にもつながる。ひいては日本のみならず、世界中での需要が見込め、新たな市場の創出につながる。開発経費も低価格で済むため、新たな事業者の参画が期待できる。
 さらに、手軽に利用できることによって、高齢者や子育て層の外出支援、観光地等での移動支援といった効果が見込める。

普及に向けた課題

 一つに挙げられるのは、やはり従来にはない新しい規格であるため、法令等の整備が追い付いていないことにある。

 そして、最も課題なのは性能である。特に安全面については様々な議論がある。小型・低出力であるため公道での自動車の速度についてこれないのではないか、衝突事故等の場合、ドライバー保護が難しいのではないか、といった意見がある。
 しかしながら、この「超小型モビリティ」の導入には多くのメリットがあり、積極的に推進していくべきである。


研究の概要

 超小型モビリティの普及に向けた課題を明確にし、議論のポイントを決める。
また、技術的な話にならないよう、政策面での結論を出していきたい。
 

参考文献・リンク


Last Update:2014/01/28
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