教育格差
-子どもの貧困解決のために-
早稲田大学社会科学部2年 上沼ゼミナール
大山明子
研究動機
中学生に放課後指導学習を行っているが、一方では高校受験の難しい問題もすらすらと解いている生徒、もう一方では掛け算すらできない生徒など、生徒一人ひとりの学力の格差が目に見えた。学力格差はどのようにして生まれるのか疑問に感じた。また日本は先進国であり、貧困のイメージが全くないがJ-castニュースで「『こどもの日』に『貧困』が社説の共通テーマになる日本」という記事を発見した。日本の子どもの約6分の1が貧困にいる実態がある。先進国である日本がこの実態にある理由ははたして何なのか。子どもの貧困を解決するためには教育格差→学歴格差→所得格差→教育格差→・・・のような負の連鎖を断ち切らねければならない。現在日本には様々な教育制度や政策がある。日本には義務制度というものがあり少なくとも9年間は子どもから学ぶ場を切り離すことはできない。故に子どもの貧困と教育は大きな結びつきがあると考えたために、教育の現状や格差の視点から研究する。
章立て
- 教育格差位置付け
- 参考文献
1.教育格差の位置付け
まずこの図の語句を簡単に説明する。
- 教育格差…学力格差と教育機会格差で構成しており、相互しあっている。
- 教育機会格差…教育をうける機会のことをさし、以下の四つに分類する。
@高校や大学に進学する機会がるかないか
A高校の進学先が有名私立高校なのかそうでないのか→高校間格差
B大学の進学先が都内の有名国公私立大学なのかそうでないのか→大学間格差
Cその地域に有名進学校があるかetc...→地域間格差
- 文化資本格差…親の最終格差、生活環境のこと。
- 経済格差…所得の格差のこと。
- 生活格差…子どもの貧困のこと。
子どもの引き起こす原因は以上の図のように様々な格差がある。先ほど動機で述べたとおり子どもの貧困と教育は大きな結びつきがあると考えたため教育格差について焦点をあてる。教育格差の中にある学力の格差はいつの時代にでももともとの学力が高い子と低い子が存在するのでここでは考えないとする。
教育格差と文化資本格差と経済格差は互いに相互しあっている関係性にあり、その総合したものが生活格差となる。つまり一度貧困状態に陥ってしまうと、貧困状態から脱却するためにはこのループから抜け出すことになるため、非常に困難なことである。
参考文献
嶺井正也・池田賢市(2006)『教育格差−格差拡大に立ち向かう』現代書館
厚生労働省「児童福祉法}
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/tuuchi-01.pdf(最終閲覧日2017.01.10)
J-castnews「『こどもの日』に『貧困』が社説の共通テーマになる日本」
http://www.j-cast.com/2016/05/08266168.html(最終閲覧日2016.06.26)
Last Update:2017/02/06
© 2017 akiko oyama. All rights reserved.