1.はじめに
グローバル化が世界で進む中で、いかに「使える英語」ができない日本の若者が多いかを自身の経験と教育業界でアルバイトをしている経験から肌で実感じた。「使える英語」とは広範囲で「(相手が何を言ってるいるか理解し、相手に自分の考えを話せる)英語@」と「(文書から何が書かれているか理解し、自分の考えを文章に起こせる)英語A」になるが後者も自信があるとは言えないが前者は自信の欠片もないと私は感じている。国際語となりつつある英語を話せないと今後、グローバル化や少子高齢化、企業の海外進出などが進む社会において苦労することが自分も含め、すべての若者、社会人にも共通していると考えた。文部科学省など多くの人間がこのテーマについて案を出しているとは思うが数年前まで中学生、高校生であり、現在たくさんの高校生に関わる自分だからこその意見も出ると思い、どのような教育形態、教育機会を提供し、勉強していけば、公教育において(あわよくば官民一体となり、)英語を「話せる」(さらに「読める」)ようにできるのかと思い、この研究を開始した。
2.日本の英語教育の現状と課題
まず初めにこちらのTOEFL(IBT)テストのランキングを見ると、日本は2010年において全体で135位/163位、アジア圏で絞ると27位/30位と客観的に見ても明らかに低い数値である。(TOEICはアジア圏受験者が多くの割合を占めることから世界的に受験されているTOEFL(IBT)のデータを用いた。)
そもそもTOEFLとはどのようなものか、公式HPより引用すると、「TOEFLR テスト(Test of English as a Foreign Language)は、1964年に英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るテストとして、米国非営利教育団体であるEducational Testing Service(ETS)により開発されました。大学のキャンパスや教室といった実生活でのコミュニケーションに必要な、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの技能を総合的に測定します。」(出典: TOEFLテスト日本事務局「TOEFLテスト概要」)
このように4つの技能を測るテストだが各国によって受験者層が異なるため一律して比較はできないが日本の英語力が「高い」という事実はないことが分かる。
では、現在の公教育における英語教育の現状はどのようになっているのか。
○小学校
2002年からなし崩し的に小学校英語教育が始まり、2008年には小学5.6年生を対象とする必修化が始まった。必修化とは年35時間(週1コマ程度)、国語や算数といった教科と違い、国から指定された教科書がなく、小学校により教材が異なるということである。2020年からは(早ければ2018年度から)小学3年生からの必修化、小学5年生からの教科化が2013年に閣議決定された。教科化とは国語や算数と同じ扱いになるということで週2〜3コマが教科書による授業が行われる予定である。
現在の必修化の段階では学級担任または外国語を担当する教員による実施が中心であり、多くの小学校ではネイティブスピーカー(ALT)が活用されている。具体的には「言語や文化についての体験的理解」、「外国語への慣れ親しみ」、「コミュニケーションへの積極性」という3つの柱で教育している。2016年の調査結果では英語が好きと答える児童は7割を超え、英語を聞いたり、話したりする能力や、「外国語への慣れ親しみ」、「コミュニケーションへの積極性」という面では成果が上がっていること。逆に1割程度の児童がすでに英語が嫌いと回答し、小学校の外国語活動において音声中心で学んだことが中学校でうまく生かされていなかったり、外国語活動が歌やゲームだけで終わってしまい,児童が自分の立場で自分の考えや気持ちを指導者や友達と伝え合うコミュニケーションにまで至っていない可能性がある。
課題としては、
Last Update:2018/1/31
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