日本の英語教育

―英語を「使える」人材を育てる―

早稲田大学社会科学部2年 上沼ゼミナール
大島清陽



「教室」 出所



章立て
  1. はじめに
  2. 日本の英語教育の現状と課題
  3. 日本の英語教育の変遷
  4. 海外との比較
  5. 事例
  6. 今後の方針
  7. 参考文献

1.はじめに

グローバル化が世界で進む中で、いかに「使える英語」ができない日本の若者が多いかを自身の経験と教育業界でアルバイトをしている経験から肌で実感じた。「使える英語」とは広範囲で「(相手が何を言ってるいるか理解し、相手に自分の考えを話せる)英語@」と「(文書から何が書かれているか理解し、自分の考えを文章に起こせる)英語A」になるが後者も自信があるとは言えないが前者は自信の欠片もないと私は感じている。国際語となりつつある英語を話せないと今後、グローバル化や少子高齢化、企業の海外進出などが進む社会において苦労することが自分も含め、すべての若者、社会人にも共通していると考えた。文部科学省など多くの人間がこのテーマについて案を出しているとは思うが数年前まで中学生、高校生であり、現在たくさんの高校生に関わる自分だからこその意見も出ると思い、どのような教育形態、教育機会を提供し、勉強していけば、公教育において(あわよくば官民一体となり、)英語を「話せる」(さらに「読める」)ようにできるのかと思い、この研究を開始した。


2.日本の英語教育の現状と課題


出典:首相官邸「グローバル人材育成推進会議 審議まとめ」(平成24年6月4日)

まず初めにこちらのTOEFL(IBT)テストのランキングを見ると、日本は2010年において全体で135位/163位、アジア圏で絞ると27位/30位と客観的に見ても明らかに低い数値である。(TOEICはアジア圏受験者が多くの割合を占めることから世界的に受験されているTOEFL(IBT)のデータを用いた。)
そもそもTOEFLとはどのようなものか、公式HPより引用すると、「TOEFLR テスト(Test of English as a Foreign Language)は、1964年に英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るテストとして、米国非営利教育団体であるEducational Testing Service(ETS)により開発されました。大学のキャンパスや教室といった実生活でのコミュニケーションに必要な、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの技能を総合的に測定します。」(出典: TOEFLテスト日本事務局「TOEFLテスト概要」)
このように4つの技能を測るテストだが各国によって受験者層が異なるため一律して比較はできないが日本の英語力が「高い」という事実はないことが分かる。

では、現在の公教育における英語教育の現状はどのようになっているのか。
○小学校
2002年からなし崩し的に小学校英語教育が始まり、2008年には小学5.6年生を対象とする必修化が始まった。必修化とは年35時間(週1コマ程度)、国語や算数といった教科と違い、国から指定された教科書がなく、小学校により教材が異なるということである。2020年からは(早ければ2018年度から)小学3年生からの必修化、小学5年生からの教科化が2013年に閣議決定された。教科化とは国語や算数と同じ扱いになるということで週2〜3コマが教科書による授業が行われる予定である。
現在の必修化の段階では学級担任または外国語を担当する教員による実施が中心であり、多くの小学校ではネイティブスピーカー(ALT)が活用されている。具体的には「言語や文化についての体験的理解」、「外国語への慣れ親しみ」、「コミュニケーションへの積極性」という3つの柱で教育している。2016年の調査結果では英語が好きと答える児童は7割を超え、英語を聞いたり、話したりする能力や、「外国語への慣れ親しみ」、「コミュニケーションへの積極性」という面では成果が上がっていること。逆に1割程度の児童がすでに英語が嫌いと回答し、小学校の外国語活動において音声中心で学んだことが中学校でうまく生かされていなかったり、外国語活動が歌やゲームだけで終わってしまい,児童が自分の立場で自分の考えや気持ちを指導者や友達と伝え合うコミュニケーションにまで至っていない可能性がある。
課題としては、
  • 小学校教員に対する研修が行われていない
    →3年生以上を担任(つまり英語を指導)する教員は年間約14万4000人。小学校の「英語教育推進リーダー」は2018年度 までに全国で1000人だけで、その推進リーダーから「研修」を受ける「中核教員」は19年度までに2万人
  • 週3コマの予定が授業時間の確保が難しく、週2コマ+15分×3回程度の短時間学習
    →学習効果が低い上に、教員の負担が著しい
  • 日本の言語環境では英語は早く習い始めた方が効果が高いという実証はない
    つまり、
    @英語 学習は早いほどよいとの思い込み
    A専門家・教員からの批判的意見の無視
    B成果・課題に関する理論的・実践的な検証の欠如
    C予算・人員・研修等の条件整備の不備の4点が挙げられる。
    ○中学校

    ○高等学校
    3.日本の英語教育の変遷
    ○話せる英語がなぜ求められるか
    日本は戦後1947年より中学校において英語が必修化となり、英語教育がスタートした。1960年代に入り、高度経済成長期に突入し、1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博において日本人が外国人と触れ合う機会が増加した他、1970年代に入ると「マクドナルド」」や「コンビニエンスストア」が日本にも登場するなど海外との接触が多くなってきていた。日本のみならず、世界的にも様々な面でのグローバル化が進む中で、英語は「国際共通語」として存在感を増していく中で、日本においても「英語が話せる」人材を増やす必要性を訴える声が、経済界を中心として大きくなっていく。早期英語教育研究会によると、70年代終わりから特に「早期英語教育」を推進す提案を出していた。1975年には渡部ー平泉論争という大きな英語教育論対決が起きたが、この際に平泉は日本の英語学習者は、学習した英語がほとんど読めず、書けず、分からない実情であることを述べていることからも英語教育の結果が、大学入試や高校入試などの勉強に過ぎず、実用的な「話せる」英語ができる人は少なかったことが分かる。
    1980年代に入ると「使える」英語を求め、学校ではロールプレイングを用いた授業やラジオ英会話番組『百万人の英語』が人気を博したり、海外留学数が増加するなどそれまで文法や英文読解が中心だった英語教育にも変化が現れ始めてはいた。1986年4月に発表された中曽根内閣の臨時教育審議会第2次答申では我が国の英語教育の非生産的な実態に痛烈な批判をし、膨大なエネルギーを注ぎながら効率が悪い教育を改めるべきだとし、英語コミュニケーション能力の養成を主たる目的とすることを発表した。
    4.海外との比較
    5.事例
    6.今後の方針(春休み中に進めること)
  • 中学校・高等学校・大学における英語教育の現状
  • 構造改革特別区域研究開発学校などの事例の研究

    7.参考文献


    Last Update:2018/1/31
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